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インタビュー

2022.03.23

垂井町を、障がいの有無に関係なく、誰もが生き生きと活躍できる街に

PROFILE

名前
北村 康行さん
出身地
垂井町

合資会社ノーストーン代表社員、株式会社Janest代表取締役。妻のゆり子さんが難病によって車いすユーザーになったのをきっかけに、障がい者の社会活動や自立の支援活動に取り組んでいます。垂井町を「みんなにとって優しい街」にするのが夢。

難病の妻を支える暮らしから得た気づきと新たな挑戦

生まれも育ちも、現在住んでいるのも垂井町の北村康行さんには、さまざまな顔があります。複数のコンビニ店舗や障がい者デイサービス施設を経営する実業家、海外で新たなビジネスに挑む起業家、そして、障がいのある人たちの社会参加や自立を支援する社会福祉活動家。まさに八面六臂の活躍ですが、当の本人は「その時々で、やりたいことにどんどんトライしてきただけなんですよ。もともと、超がつくポジティブな性格。一度きりの人生だから、後悔したくなくて。」と笑顔で話します。
大学時代にコンビニ経営に興味を持ち、卒業後、垂井町内のコンビニ経営会社やコンビニチェーン本部で、店舗マネジメントを一から学びました。そして2009年、32歳で独立。今では大垣市などで9店舗を展開するまでになりました。
実業家として手腕を発揮する一方、北村さんは「社会福祉活動家」の顔も見せるようになります。きっかけは、妻のゆり子さんが指定難病の「脊髄小脳変性症」と診断されたこと。脳の一部の神経細胞に異常が起こる進行性の疾患で、現在は根本的な治療法が確立されていません。「実は妻の母親も同じ病気にかかっています。発症する可能性があることを結婚前から知っていたので、意外と冷静に受け止められましたね。来るべきときが来たか、と。」
ゆり子さんの病状は徐々に悪化し、外出時には車いすが必要になりました。「車いすユーザーの家族になって気がついたことがあるんです。街の中を見回すと、バリアフリー化はまだまだ進んでいないし、障がい者の意欲を引き出す通所施設も少ない。障がい者が家にこもりがちになるはずです。よし、理想の施設がないなら自分で作ろうと思い立ちました。」
かくして北村さんは2021年11月、大垣市に運動に特化した障がい者デイサービス施設「ワーカウト大垣」をオープン。まるでフィットネスジムのように明るい施設内では、利用者がトレーナーのサポートのもと、思い思いのマシントレーニングやボクササイズ、ヨガなどに取り組むことができます。ゆり子さんもこちらに通うようになり、表情がぐっと明るくなったのだとか。

障がい者の可能性や選択肢を広げていきたい

「ワーカウト大垣」の開設準備に取り組む中で出会った、発達障がいがある大垣市在住のアーティスト「Jo」さんとの交流も、北村さんに転機をもたらしました。Joさんの色彩豊かで自由な絵画に感動した北村さんは、絵をプリントした傘などのオリジナルアイテムを商品化。このほど、コンビニチェーン店での取扱いが決まったそう。「障がいのある人たちが将来にわたって安心して地域で生活できるようにするためには、社会参加と自立可能な所得が必要。その支援をしていくことが私に与えられた新たな使命だと、Jo君が教えてくれた気がするんです。」
有言実行型の北村さんは2021年12月、垂井町内に宅配ピザチェーン店「ピザハット マックスバリュ垂井店」をオープン。この店は就労継続支援B型事業所の位置付けで、障がいのある人たちが本人の特性や能力を生かしながら働いています。「次の挑戦は“農福連携”。岩手地区の農家さんたちとタッグを組んで、後継者不足問題の解決と、障がい者就労の拡大をともに進めていきます。生まれ育った垂井町を、障がいの有無に関係なく、誰もが生き生きと活躍できる街にしたい。」そう目を輝かせる北村さんのチャレンジングな取り組みは、今後も続いていきそうです。

My favorite spot

彩菜食坊 CIEL(シエル)
北村さんの小·中学校時代の同級生が2021年7月に家族で開いたレストラン。朝採れ野菜をふんだんに使った、フレンチとイタリアンベースの創作料理が味わえます。「ランチもディナーもおすすめ。とても温かな雰囲気でくつろげます。オーナーのご家族が、障がい者の可能性や選択肢を広げる私の取り組みに共感してくださっているので、今後何か一緒にできたらいいなと思っています。」

「彩菜食坊 CIEL」
住所:不破郡垂井町東神田2-28-1
TEL:0584-51-5981
営業時間:11:30~LO14:00、17:30~LO21:00/水曜定休
※詳細はInstagram(@saisaisyokubo_ciel)でご確認ください。