きょうの垂井

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インタビュー

2021.07.20

このまちの宝は人
こどもたちの安全を見守るたくさんの同志がいます

PROFILE

名前
渡邊直文さん
出身地
垂井町

仕事で広島、東京、大阪、名古屋など日本全国を転々とし、55歳でUターン。NPO法人「こども見守り隊」代表理事。青色回転灯装備車(通称・青パト)で、垂井町全域で児童生徒の下校を見守る活動のほか、小学生や未就学児に、連れ去り防止など、防犯の啓発活動にも力を入れている。

Uターンを機に第二の人生が始まった

長年勤めた会社は転勤が多く、大都市で暮らしていた渡邊さん。毎日満員電車に揺られ仕事に追われる生活の中、年に1~2回帰省するふるさと垂井町は、ほっとする場所だった。 「缶蹴り、かくれんぼ、鬼ごっこなど、外を駆け回って遊んでいた頃と景色は変わっても、これほど空気がきれいなまちはほかにない、と帰省のたびに思いました。そして何より人の良さ。みんな垂井町が好きで、あったかい。心が落ち着く垂井町で暮らしたいと思うようになり、55歳で妻の同意を得て第二の人生を垂井町で歩むことを決めました。」と語る。
Uターンして間もない頃、参加した地域の集まりで、働くお母さんから子どもの防犯に関する不安の声を聞き、サラリーマンをやめたら、自分がやりたいことをやろうと漠然と考えていた渡邊さんは、これをきっかけに、子どもたちの安全を守りたいと考えるようになった。
「安全なまちづくりとはなにか」と考え、青パトで下校時の児童や生徒を見守るNPO法人「こども見守り隊」を2008年に立ち上げた。2021年現在は137名の会員が登録するボランティア団体へ成長。町内の全小・中学校の下校時の見守りを、毎日欠かさず続けている。
「子どもたちの元気な挨拶や感謝の言葉に、私も会員もやりがいを感じています。住民の方から、青パトが垂井町の美しい風景に馴染んできたね、と言われたことが嬉しかったですね。」と優しい眼差しで話す。

渡邊さんの活動は見守りだけにとどまらない。子どもが緊急時に駆け込める「こども110ばんのいえ」を増やすため、地域を歩いてお願いしたり、コロナ禍を乗り切るため、会員で手作りした子ども用マスクの寄付活動や、学校の消毒作業を申し出るなど、子どもたちの安全のためなら、活動は青パトに限らない、と意気込む。
「私たちの活動を見て育った子どもたちが、大人になった時、ふと青パトを思い出してくれれば、こんな嬉しいことはないですね。」

孫たちへ送る手紙

日々、青パト活動で地域の子どもを見守る渡邊さんの休息時間は、離れて住む孫たちへの手紙を書いて過ごすこと。
地域の子どもたちと、自分の孫たちを重ねながら、直筆で書くことにこだわる手紙は、遠く離れていても孫たちの安全を願う渡辺さんなりの見守り方法だ。そして、孫たちからの「おじいちゃんからの手紙は宝物」という言葉は心の支えとなり、青パト活動の活力となっている。

My favorite spot

渡邊さんのお気に入りの場所は、朝倉山真禅院。
住職である中川さんも青パトの会員の仲間だ。
「毎年、青パトや子どもたちの安全を祈願していただきます。また一年、みんなが安全でいられることを願いながら、高台から眼下に広がる垂井町の景色を見ると心が洗われます。第二の人生をふるさと垂井町で過ごし、青パト活動が続けられることに感謝せずにはいられません。」

「朝倉山真禅院」
垂井町宮代2006 / TEL 0584-22-2212